実力を上げるのは「量」か「質」か
WBC決勝、すごい試合でしたね。
個人的には準決勝のメキシコ戦こそが正念場だったと思いますが、試合終盤でも「侍Japanならまだチャンスが……!!」と思わせてくれたし、実際に厳しい展開もはねのけてくれました。
それはもう類まれなる才能と、たゆまぬ努力の成果だと思います。
努力と言えば、日本代表のダルビッシュ投手などトップアスリートはよく「練習は量より質が大事」といった発言をされています。
「考えて練習しないと意味がない」なども同じような文脈で使われるフレーズですね。
さて、どうでもいい掴みから始まりましたが、スプラトゥーンのウデマエを上げるにはどんな取り組みをすればいいのでしょうか。
大事なのは量なのか、質なのか。
今回はそんなことに対する考え方をまとめます。
始めに私見を申し上げますと、ことスプラにおいて、かつウデマエX未満のプレイヤーにとって、まずは単純な”量”が重要だと思います。
もちろん、何も考えずに猛然と敵陣に突っ込んで対面の勝った負けたを繰り返すだけでは何百時間プレイしようが成長するとは思えません。
ただ、どういう動きが通って、どういう動きが弱いのか。
そういった”蓄積”がないことには質が上がらないと思っています。
そんな経験値の蓄積にまずは量が大事だという考えです。
一般的なスポーツであれば先人の築き上げたセオリーがあって、それに沿ってコーチや先輩が指導してくれるので、自分の適性や弱点、今後の練習方針などある程度型にはまった”回答”が用意されているものです。
マイナースポーツであっても基礎練習と呼ばれるルーティーンがあって、競技に必要とされる基本的な動きを反復して定着させるという指導は必ずと言っていいほど存在しているはずです。
だから、初心者にもある程度「質が担保された」方法があり、それを量こなせば成果が出やすい環境が出来上がっている。
しかし、ことスプラにおいてセオリーもコーチもどちらも広まっていないのが現状。
「いやいや、スプラ攻略wikiや動画、指導企画も結構ありますよ」って?
私の感覚では、Youtubeなどにアップされている指導解説は再現性が低いものか、一般性が高いものばかりです。
再現性が低い例:この編成で、この塗り状況で、この生存状況ならこうすべき。
一般性が高い例:死なずにキルとり続ければ勝てます。
実際には視聴回数を稼ぐための誇張が含まれていたり、あくまで「自分のプレイを解説」したものがほとんど。
たしかにスプラトゥーンの試合形式、試合の流れはたくさんの不確定要素に溢れていて非常に複雑なものです。
でもイメージで言えば5vs5のバスケットボールにも、事前にデザインされた得点パターンがあるし、場面に応じたシュートもあるし、名前が付くようなフェイントテクニックもあるし、定型の守備陣形もある。
その時のマッチアップ相手との身長差、足の速さ、得点差、疲労度、残り時間などは決して一様ではありませんよね。
それでもこういった定石が存在して、定着しています。
スプラにおける決まり手や定石として思い浮かぶものと言えば、「クイコン」や「引き撃ち」、ヤグラで傘を開くまさとさま戦法、スフィアやテイオウに味方ジャンプしてガチアサリを入れるテクニックなどでしょうか。
S帯以上であればざっくりと「前線を上げる」という共通認識はありそうですが、そのラインや速度がいまだに統一されていません。
「味方とラインを合わせる」、だとか「味方のカバーをする」というのも一般性が高く、実際には敵陣奥に抜けたカバーは困難ですし、そもそもその必要がないケースも多い。
そういった多種多様な場面に合わせて立ち回るには、豊富な経験、冒頭の表現を使うならば”量”が必要だと思います。
「これ進研ゼミで見たやつだ!」がしたいのに、綺麗に整えられた過去問がないので、結局ほぼ総当たりであらゆる経験を積んでいくしかないというのが現状ではないでしょうか。
現状のスプラ界隈は練習のフォーマットが構築されておらず、「大量の経験値からわずかな成果を得る」ような状況にもみえます。
例えるならば海岸で砂を浚ってシーグラスを探すような。
その点、上位の方々は長ければスプラ1からの蓄積が既にあるので、試合中におかれた状況に応じた選択肢、引き出しの数が段違いだし、その上で最適解を無意識レベルで選択できるのだと思います。
私は特にプレイ時間が乏しく、蓄積がないせいで試合中に考えながらプレイしています。
急にインスピレーションが沸いて、サッカーで言う「クリエイティブな」プレイができることもありますが、きっとどこか脳みその端っこに残像として残っていた上位勢のプレイが瞬間的に表面化した結果なんだと思います。
そもそも毎試合そんな戦い方では脳のキャパをそれに費やし過ぎているという実感が強いです。
試合中に考えるのではなく、事前にアクションセットを用意しておいた方がいい。
じゃあ、なぜ私がそれを実行しないのかと問われれば、ただでさえプレイ時間の確保に難儀しているのにステージ数×ルール数が多過ぎて、蓄積が追い付かないからです。
2時間1枠プレイして大体20試合くらい、1ステージは半分の10試合。
たったの10試合ではわたわたしているだけで具体的な気付きを得ることは簡単ではありません。
そこで私は、初心者~中堅が上位勢に追いつくための練習法として「1ステ固定の連戦」を提唱します。
同じくらいのウデマエのプレイヤーを8人集めて、1ステ30先で対抗戦でもすれば密度の高い練習になるはず。
「ここからあそこにジャンプが届く」「ここから高台を狙える」くらいは散歩でもいいのですが、「カニタンクを吐くならこのポジ」「ここはチャーポジからみやすい」「あそこに長射程がいる時はここからのクロスファイアが刺さる」「敵にジムがいたらここのルートを塗り潰さないと押される」などなど。
上位勢からすればこんなのは「既に知っていること」なはず。
でもこういった経験を積み重ねる機会は、意図的に用意しないとあまり多くありません。
それこそ2時間やって何回か、そのチャンス自体が1日に1回あるかないかだったりするわけで。
特にこれは固定メンツでの戦い方に効果的で、今後実装されるリグマで活かされるんじゃなかと思っています。
いずれ実現してみたい1ステ固定プラベ。
追記
自分で読み返してみて結論がぶれているように感じたので補足。
質を上げるノウハウが確立されていないからとりあえず量こなすしかないよね、質は量こなしていくうちに追いついてくるんじゃないかなって感じです。
書き始めた時にはもっとこう「コーチとか指導方面の発展が全然進んでいないよね。残念!」って内容にしたかったような気がする。