スプラトゥーン3の閉塞感の正体
新シーズンが始まり、新ブキ追加アップデート、何よりリールガンの強化というとびきりのサプライズを受けて少しずつモチベ―ションが回復しつつあるのですが、どうにもこうにも熱くなれない。
聞くところによればこれは私だけの現象ではなく、実際にアクティブユーザー数も減っているようですし、同じような思いを抱えるプレーヤー(元プレイヤー)は多いのではないでしょうか。
この記事はスプラ2プレイ時間約2000時間(X24)、スプラ3プレイ時間200時間(X20-21)の"中の下"くらいのプレイヤーの個人的な感想をまとめたものです。
スプラトゥーンというコンテンツを括りにすれば延べにして2200時間も費やしているわけで、飽きが来ることに疑問の余地はありません。
しかし、スプラ2では環境末期になってもそのモチベ―ションが衰えることはなく、スプラ3発売直後の最初のシーズンもカタログlv100にするなど、そこそこ熱中してきました。
なぜそんなプレイヤーの熱が冷めてしまうのか。
いくつか似たような書き出しのブログやnoteをみたことがあるのですが、
「そもそも任天堂の狙い通りである。スプラの製品寿命を短くして別のゲームを買ってもらう方針なんだ」という説が少なくありません。
これについて私は懐疑的です。
なぜならスプラトゥーン3はいま正に公式イベント「スプラ甲子園」の最中であり、来年にはサイドオーダーの追加も控えています。
継続的に話題を提供しているのはスプラ3を継続してプレイしてもらいからに他なりません。
では、どうして天下の任天堂が盛り上げようとリソースを割いているコンテンツで、ユーザー数が減り続けているのか。
私なりにその理由を考えてみました。
先に結論を述べると、私はスプラ3の現状の閉そく感が原因だと思っています。
細かく言うと、①環境が動かないことによる閉そく感、そして②自分自身の成長が測りにくい閉そく感です。
まずは事実としての要素を羅列。
1)マッチングの改悪 格差マッチング(合流)
一番の理由はこれだと思います。
ナワバリもオープンもフレンド合流が可能になり、これ自体はいいことだと思いますが、"野良チーム"vs"通話連携ありかつ編成調整可能チーム"という不公平なマッチングになる試合が生まれてしまっています。
合流によって内部レートによるマッチングルールを無視したプレイヤーが混ざりこむため、戦力差の大きいマッチングになってしまいます。
2)マッチングの改悪 格差マッチング(内部レート、養殖)
内部レートについても解析などで部分的に判明してきていますが、どうやら合流したオープンマッチでも内部レートが上下する様子。
つまりスプラ1でいう”養殖”が可能となっています。
プレイヤーの実力と内部レートに差が生じることによって、内部レートに従ってマッチングしているはずが結局実力差のある格差マッチングとなってしまう場合があります。
3)マッチングの改悪 格差マッチング(準ミラーXマッチ)
Xマッチでは設定されたブキグループを元にミラー編成もしくはそれに準じたマッチングが行われています。
完全なミラーが続くことは新鮮味を失って面白くないし、不公平なミラーもどきに至ってはブキパワーの差のおかげでもっと面白くない。
例えばモデラーが毎度毎度環境ブキスシとマッチングさせられるわけで、勝率が低くなるのも、引いては使用率が下がるのも当然のこと。
結果的に使用率は偏り、ブキの多様性が失われ、似たような試合(ミラーマッチ)が繰り返されることでゲームの新鮮さが薄れます。
だったら完全ランダムでよかったし、少なくとも2のような射程別くらいのおおらかなマッチングルールでよかった。
4)ステージの改悪
これはかなり初期から不満がたくさん出ていますので割愛します。
新ステージも既存ステージの焼き増しみたいで、良くも悪くも特徴的だったモンガラやタチウオのようなステージがありません。(じゃあモンガラやりたいかと言われれば微妙だけど、ヒラメよりはマシかな)
5)ブキ格差 (特にスペシャル格差)
愛用ブキが不遇だと辛い。環境ブキに乗り換えればそれもいいんでしょうけど、ただ勝てればいいという訳ではないプレイヤーの方がむしろ多数派なのでは。
ブキ格差、特にスペシャルの格差が激しく、ミラーマッチのシステムも相まって、相当な実力差や運がないと安定して勝つことが難しい。
6)アップデート方針
このようにはっきり優遇された"勝ちやすい"ブキがいくつか存在するにもかかわらず、アップデートは1.5カ月に1回という低頻度。
環境は回りにくいし、新鮮味もありません。
このような環境が現在のスプラトゥーン3だと感じています。
そして冒頭で述べた閉そく感の正体ー
①環境が動かないことによる閉そく感
これはマッチング格差やブキ格差に起因して、一部の強ブキが環境を席巻し続けるため、新鮮味がない。
そのせいで愛用ブキに対する希望がもてない、これが結構つらい。
今作では多くのブキでXP3000を排出する一方で、弱いブキではブキトップのXPが2500台だったりするわけで、この格差は明らかに不公平感があります。
そして、今回私が一番伝えたかったのが②自分自身の成長が測りにくい閉そく感です。
上記もろもろの理由によって、「負けた理由を反省しにくい=成長を測りにくい」のがスプラ3の特徴。
これが私にとってものすごくネック。
やっぱりゲームの面白さって「新しいことができるようになる体験」が基本にあると思うんです。
RPGであれば新しい装備や魔法、移動手段を得て新しい街に行き新しい敵と戦う。
スプラトゥーン3ではこの新しさがきちんと提供されていないように感じます。
これに対してスプラ2ではある程度適性なマッチングだったし、自分の現状のスキルを見直して、不足しているスキルを1つずつ身に着けていく楽しさ、そしてそれがある程度順調なステップアップに繋がっていたため、日々の成長を実感できそれが1試合単位でパワーに反映され、つらくも楽しかった。
結果的にXPは停滞時期こそあったものの概ね右肩上がりで、自身の成長を感じられた。
スプラ3を振り返ると、内部レートの関係でマッチングしたが実力が大きく異なる編成だったとか、ミラー先のブキとのパワー差(編成差)があったとか、ブキ相性は勝っていたが相手の実力がずっと上だったとか、味方がずっと格下だったとか、色んな理由で一方的な、大味な試合が増えている印象。
自分ひとりが奮闘してもあっさりとボロ負けしたり、沼った立ち回り・キルレでも連勝したり、自分のプレイと勝率があまり直結しているように感じられない。
いまの自分に何が足りていなくて、XPを上げるのに何を身に着ければいいのか、これが非常に曖昧。
自分がいい立ち回りができていても連敗すると、「今の立ち回りは間違っている」と誤った認識で立ち回りを矯正して遠回りをしてしまったり、
間違った立ち回りで変な連勝をしてしまうと間違った成功体験を積んでしまったり。
あまつさえ、なんとか勝ち取った2勝に対して、どうしようもないように感じる3敗でXPが確実に下がるというのも面白くない。(2では低XP帯で負け越してもXPが上がることは結構ありました。)
それもこれもアクティブプレイヤーの少なさも原因の一端であり、マッチング速度を優先した任天堂の運営方針によるものでもあると理解しています。
新しい経験ができずつまらない→ユーザー数減少→不公平マッチングが増える→つまらない→………と悪いループに入っているのでは。
ちなみに友人と通話オープンする分にはいまでもめちゃくちゃ楽しいゲームです。(だと思います)
すっかりスプラトゥーンとはつかず離れずの距離感を保っていますが、一応アプデなんかは必ずチェックしますし、また(自分にとって)面白いスプラが戻ってくれたらなと思います。