<弾が>集まると戦える、散らばると塗れる -前編(ミクロ編)-
大雑把に言うと塗りとキルの両立は難しいけど、その理由は塗りとキルが相反する行為だからだよねっていう至極当たり前な話。
ブレが発生するシューター前提の話です。
最近強いと噂の.52ガロンベッチュー、私も興味本位で使ってみたのですが強いですね。
私みたいなプレイヤーでもキルエースになれると言えば、このブキのブキパワーがどれほどかよく伝わると思います。
ただ、使い始めは当然そうはいきませんでした。
具体的にはメイン射撃のブレに翻弄され、エイムは合っている(はずな)のに相手に当たらないという場面が多かった。
そこで、対面中にイカ移動を挟んだり、塗りながら敵に近付くことをやめたり、多少の工夫をしてみたらブレ問題もほぼほぼ解決し、ただの2確シューターの出来上がり。
感覚的には撃ち始め3-4発はほとんどブレないです。つよすぎー。
しかも塗りが強いおかげで気付いたらナイスダマ溜まってます。つよすぎー。
そんな折にある気付きを得たのですが、シューターのブレって最初の数発はあまり拡散しないんですよね。
ブレがブキコンセプトになっているガロンですら。
で、私がこれまで異常に対面が弱かった理由の1つが「なんか敵に弾があたらない」だったのですが、どうやらこれエイムだけの問題ではなかったんじゃないかって。
つまり、これまではシューターをもってほとんど潜伏せず常時塗り続け、敵を見つけたり敵に詰められたりしたら”そのまま”対面に移行していたんですけど、そうなると初弾からめちゃめちゃブレるんですよね。
そりゃ敵に弾が当たりませんし、結果対面勝てません。
そして、これはゲームデザインの根幹に関わるシステムだと思うようになりました。
ブレが発生するメインってシューター、マニューバー、スピナーの3種だけで、共通するのはいずれも(比較的)連射性能が高くて塗れるブキ種ということ。
つまり、長時間の塗りとキルを両立させないというゲーム設計上の思想があるということなんじゃないかと。
(余談ですが、実際に環境ブキがナーフを受ける際に”長時間前線を維持する能力” みたいな名目でインク効率を奪われていますよね。これも同じような意味合いだと思います。)
ミクロな1vs1の対面を想定します。
一方は相手をキルしようとエイムを合わせています。
そうするとメインの弾道は相手キャラクターに向かって集中することになり、それはつまり直線状の塗り跡が残るのみで、塗り広がりが一切ないということ。
相手の体力が0になるまで弾を当てるには集弾性の高さが重要です。
しかしブレの仕様のおかげで、最初の数発を外すと集弾性は低くなる一方でどんどん状況は悪化します。
少なくとも相手の足元は取れるし、キルがとれればアドバンテージがありますが、キルを取り逃すと何も残りません。
塗りは広がらず、インクを消費し、スペシャルポイントも多くは稼げず、拡散値もしばらく悪化、位置情報も奪われると散々です。
ハイリスクハイリターンな行動とも言えるかもしれません。
対策としては長時間撃ち合わず、4-5発外したらイカ移動を挟むなどして拡散をリセットするなり仕切り直すなり切り替えること。
もう一方は相手が見えてもキルではなく塗り広げを狙っています。
同じ地点を塗り続けても塗り被りが起きるだけで意味がないので、メインの弾道は左右に拡散することになり、結果確定数以上のメインが敵にあたることはまずありえません。
短時間にできるだけ広い角度を塗り広げるには連射性の高さが重要です。
射程で負けていなければ塗りのおかげで相手は近付いてこれず、塗り、スペシャルポイントで優位に立てます。
一方で、逃げれば有利ポジションを失いますし、もしキルされてしまえば周囲はすぐに塗り返されてしまうでしょう。
これは一概にどちらがいいという話ではありません。
キルが取れるに越したことはないけれど、ブキのブレや相手の動き次第でいつでもキルが成立するわけではないというだけの話。
問題はこの2つの切り替えと両立が困難ということ。
まず塗り広げから入って、自インクが広がってからキルに移行するというのはまさに私が1000時間かけてきた愚行です。
塗り広げている時点で位置情報の不利があり、塗り広げ行為によって拡散値不利があり、インクもいくらか消費済みと体力以外は満身創痍といっていいでしょう。
逆に先にキルから始動しようとすれば相手の塗りに対して射程内に入るまで潜伏が必要となり、塗りのついでにクリアリングされてしまったり、潜伏している間にスペシャルを溜められたりするリスクがあります。
少なくともキルが成立して塗り返しが完了するまで塗りは奪われ続ける一方です。
仮にキルに成功して周囲を塗り固めていたら次にキルを狙う敵から標的にされます。
ですから、塗りとキルを両立する(継続する)のは困難だという冒頭の結論に至ります。
シューター以外のブキに関してもこの原則は変わりません。
ほとんどのブキはそもそも塗りが弱い(塗り範囲の問題だったり、連射性の問題だったり、インク効率の問題だったり)のでシューターと塗り合うことができず、どこかでキルをとらないと盤面の状況はジリ貧です。
例外もあります。
シャプマ、H3、ボトル長射程モードはシューター種でありながら拡散値が低く設定されており、塗りとキルをシームレスに切り替え可能です。
ゲーム終盤の環境でこのあたりのブキが流行しているのも、プレイヤースキルで補えない部分(ブキ性能そのもの、ブレ)を補うブキ選択が自然と行われている証拠かなと思います。
この時点で2000字を超えましたので、この記事は後編(マクロ編)に続きます。
まとめ
・塗り広げている最中のシューターは拡散値が増大しているので対面不利
・キルを狙うこと(射線を1方向に固定すること)と塗り広げ(射線を分散させること)は多くの場合両立しない