教える側のプレイ能力について -名選手は名コーチたり得るか-
少し前からYoutubeのトップ(iOS版)にTiktokのような短い動画があがるようになりました。
その中で女性の声で初心者に向けた解説動画を上げている方がいらっしゃいます。
導入編となるショートムービーは20~30秒ほどで上手にまとめられており、本編となる10分以内の動画の方も丁寧に編集されています。
あくまで「初心者向け」ということもあり、未プレイ~ランク20くらいを対象としているような内容ですが、合間に流れるプレイ動画が結構気になる内容で…。
というのも、正直あんまり上手くないんですよね。いやもうほんとどの口がって感じでしょうが。
そもそもその方のハンドルネームをみて勝手にとある上位プレイヤーと勘違いしていたことが違和感を覚えたきっかけなのですが、よくよく調べれば全然別の方。
なんならS帯の様子、どうりで。
じゃあ解説の内容自体はどうなのかというと、こちらもところどころで違和感があります。
他の解説動画を参考にすると、Youtubeなどで解説動画を上げる有名プレイヤーの多くはかなり高いXPを投稿者自身が記録しています。
その実績あっての解説なので信憑性も高いですし、再現性も高そうな気がしてきますよね。
一方で自身のXPはそこそこ(とはいえ最高XP2500くらいあったりしますが)ながらも、指導や解説の上手さで差別化して、XP2700以上を排出する指導者も若干数いらっしゃいます。
こういう方はNoteの記事とか、スキルマーケット系のサービス上で有料/有償指導を行っているようです。
Youtubeの解説動画と比べれば直接金銭を受け取っている責任感からか指導内容も丁寧な印象を受けます。(受講したことはありませんが)
さて、この指導者の「プレイヤーとしての実績」と「指導能力」の相関についてですが、実際のところどんなものなんでしょう。
初めに私自身の見解を申し上げますと、「上位勢にしか見えていない世界がある(はず)」という意味で、"ある程度"相関があるものと考えています。
学生アルバイトの塾講師や家庭教師も大体偏差値に比例して指導力が高い傾向にありますし。
しかしながら、プロ野球なんかで顕著ですが、名選手が引退後にそのままコーチになるもコーチとしては評価が高くないというケースも珍しくありません。
これは技術や感覚を口頭で伝えるという言語能力の差、および業界全体の指導ノウハウの蓄積の差なのかなと思っています。
ではスプラにおいてどうなのかと言えば、上位勢の解説の方がマシではあるものの、上位勢の多くが学生ということもあって正直あんまり質は高くない…というのが正直な印象です。
解説されていない言外の行動が本質的に重要だったり、あるいは単純に高いプレイヤースキルを基礎としていて真似できないものだったり。
X未満の解説動画はほとんど見る価値もありません。なぜならその方法で勝てるならば投稿者自身がXに上がれているはずなのだから。(同じ理屈で私の記事もほとんど見る価値ありませんが)
私自身もかれこれ半年以上記事を更新してはいますが、Xなりたての初期の記事を今読み返せば「何を言っているんだこいつは……」って感じのものもあるでしょうし、最新の記事だって上位勢からみれば「しょーもな」って感じかもしれません。
間違った情報を広めたくはないので随時更新していった方がいいんでしょうが、なかなか難しいですね。
最後になりますが、ネット上にある多数のスプラの解説動画、スプラの有償指導、そのほとんどは眉唾ものだと思っています。
その理由は、単純に指導者自身の理解度の低さ、ならびに指導者としてのスキル不足です。
e-sportsという言葉がある程度浸透して、プロゲーマーを目指す人口が増えつつあるこのご時世、この辺りを体系的に整理できればもうちょっとしっかりした指導基盤が生まれる気もしますが、ビジネスにするにはまだまだ市場が広まっていないのかなという段階。
個人的にはe-sportsに関心はなく、高額賞金をうたう大会などもすぐに頭打ちなんじゃないかなと思っていますが、将来どうなることやら。