スプラトゥーンの三すくみを考える -スプラは本当に塗るゲームなのか-
対人ゲームのほとんどは三すくみをシステムに取り入れています。
実際には要素が4だったり5だったり、あるいは2軸あったりして複雑化したものが多いのですが、
(例えばポケモンのタイプ相性はかなり複雑ですね)
今回はスプラトゥーンにおける三すくみを考えます。
まず、一般論としてのスプラトゥーンの要素は大分すると撃つ、潜るの2通り。
それを少し具体的に分けたものが以下の4通り。
撃つ(塗る/キル)、潜る(イカ移動(可視)/潜伏(不可視))。
実際、基本操作には左スティックとジャイロ、ZL、ZRしかほとんど使わない。
これにサブ、スペシャル、ジャンプ、ギア、壁などのアクセントが加わってスプラトゥーンの完成だ。
ここで各要素の強弱を考えるが、キル>塗るは間違いないだろう。
漫然とヒト状態を晒して塗っているイカなどカモ同然。(わかりにくい。)
次に塗る>潜伏、これはいわゆるクリアリングという技術にも通じる。
しかし、早くも問題が。
実際には潜伏状態で敵を視認して、塗っている相手を不意打ちでキルするというのは基本戦術。
この潜伏⇒キルという流れを反映させる必要がある。
また同時に、潜伏するには自インクが必要なので、塗る⇒イカ移動/潜伏という流れもセットで出現する必要がある。
ここで改めて整理。
塗る⇒移動/潜伏⇒キル (⇒塗る…と続く)
あれ、三すくみにならない????
そうなのです。
これは自分も半信半疑で書いていますが、すべての行動はキルに帰結するのです。
キルを防ぐには、イカ移動で射程外に逃げるか、より長い射程でキルを取るしかない。
そして、そのためにまず塗りが必要になるのです。
考えてみれば、タイマンをする際、塗りもせずキルだけ取るなんてできません。
相手インクに囲まれていては、どこから攻撃されるのかわからないし、自分も自由に動けません。
またガチマッチでも、まずはオブジェクトまでの塗りを作りながら移動するのが第一歩。
開幕から塗らずにエリアまでヒト移動するなんて、C-でも見たことがありませんし、到着したところで袋叩きにあっておしまいでしょう。
ここで一旦結論を。
つまりスプラトゥーンはキルゲーだった!!!(違います)
やっぱりスプラは塗りゲーやったんや!!!(違います)
スプラトゥーンとは、キルするために塗り、塗るために生存する(キルされない)ゲームなのです。
それは同時に、キルされないように塗り、塗られないようにキルすることとも言い換えできます。
このサイクルを途切れさせないことが状況を有利に導くための絶対条件です。
強いて2択とするならば、塗りが重要です。
これは次回記事にて。
ところで余談ですが、チート動画として一瞬でマップ全体が一方のインクに染められる動画を見たことはあるでしょうか。
あの動きができれば、100%負けることはないでしょう。
なぜなら相手は潜伏ができず、イカ移動で近寄ることもできないからです。
また、ボタン1つで相手全員がデスするとすれば、それもやはり負けようがありません。
優劣をつけるとすれば、デスする方が試合に直結するためより強力ですね。
塗ってキルする、このサイクルを途切れさせないことが勝利条件であり、相手のサイクルを断つことも同義です。
ちなみに、このゲームデザインでは本来、短射程ほど塗りが強く、長射程ほど塗りが弱くなければ成立しないのですが、実際は厳密にはこの原則は適用されず、4対4というランダム性とサブスペやらインクタンクやらでなんとかうやむやになっているような感じです。
だから長射程で塗れるチャーやクーゲルは嫌われるんですね。